遊びが備えになる。キャンプ用品で「明かり」を守る防災術

災害時にこそ力を発揮する「趣味の道具」

日本は自然災害が多い国です。
地震や台風、大雨などによって、突然ライフラインが止まり、日常が一変することがあります。
そんな時に頼れるのは、実は「自分の手でできること」です。
とくに、キャンプやアウトドアを楽しむ人にとっては、普段のレジャーで使っている道具やスキルが非常時にそのまま役立つ可能性があります。

自然の中で過ごすキャンプには、電気や水がない環境で過ごす工夫や、限られた道具で安全に過ごす知恵が詰まっています。
その経験こそが、「もしも」のときに活かせる実践的な備えとなるのです。

命を守る明かりの確保

停電になって真っ暗闇の中に置かれると、足元も見えず避難行動が遅れます。
視界が奪われると、人は強い不安に襲われ、冷静な判断が難しくなることもあります。
だからこそ、明かりの確保は生命を守る基本とも言えるのです。

ここでキャンプ用品の出番です。
LEDランタンやヘッドライトは電源に頼らず、しっかりとした明るさを確保できます。
アウトドアでの使用を想定して作られているため、耐久性が高く、操作も簡単。
普段から使い慣れていれば、災害時にも迷わず使うことができます。

さらに、災害が長引いた場合に備え、電池だけに頼らない方法も有効です。
たとえば、太陽光で充電できるソーラーランタンや、手で回して発電するダイナモ式ランタンは、繰り返し使える持続可能な明かりとして心強い味方です。

明かり以外にも役立つキャンプ用品

キャンプ用品は、明かりだけでなく、さまざまな場面で災害時に活躍します。
たとえばテントやサンシェードは、避難所でプライベート空間を確保したいときに役立ちます。
寝袋やコットは、硬い床での睡眠を少しでも快適にし、体力の回復を助けます。

カセットコンロやシングルバーナーがあれば、温かい食事や飲み物をつくることもできます。
非常食の加熱やお湯の確保に役立つこれらの道具は、災害時の心の安定にもつながります。
また、水筒や浄水器があれば、安全な飲料水を確保する上でも大きな助けになります。

こうした道具は、普段から使い慣れておくことが大切です。
いざというときに戸惑わず、落ち着いて行動できる力に変わります。

心の備えと地域のつながりも大切

防災では、物の備えと同じくらい「心の備え」も重要です。
過去の災害では、自分は大丈夫と思って避難を遅らせたり、貴重品を取りに戻って命を落としたりといったケースもありました。
こうした「正常性バイアス」や「戻り行動」を防ぐためにも、日頃から「自分ならどうするか」をイメージしておくことが大切です。

また、災害時は行政の支援がすぐには届かないこともあります。
そんな時こそ、頼りになるのは近所の人たちとのつながりです。
日頃から挨拶を交わしたり、防災訓練に参加したりしておくことで、いざという時に自然と助け合う関係を築くことができます。
キャンプやアウトドアの経験が、地域活動と結びつくことも、防災意識を高める一歩です。