体のだるさは“内側の不調”?胃から始める健康づくり

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胃の不調は「消化力」のサインかも?

「最近なんだか胃が重い」「食後に疲れる」
そんな感覚があるなら、もしかしたら「消化力」が落ちているのかもしれません。
消化とは、食べ物を体が使える形に変え、栄養として吸収するための重要なプロセス。
中でも、最初の段階を担うのが「胃」であり、その中核となるのが「胃酸」です。

胃酸は、食べ物を分解するだけでなく、食事に紛れ込んでくる細菌やウイルスを退ける役割も担っています。
しかし現代では、加齢やストレス、偏った食生活により、胃酸が適切に分泌されず、うまく消化が進まない人も増えているのです。


胃から腸へ ― 消化はリレーでつながっている

胃での消化がうまくいかないと、そのまま次のステージである「小腸」に負担がかかります。
小腸は栄養の吸収を担う主役で、表面にある「絨毛(じゅうもう)」が効率的な吸収をサポートしています。

この小腸には「タイトジャンクション」と呼ばれる接合部があり、細菌や未消化の物質が体内に入り込むのを防ぐバリア機能があります。
しかし、胃で十分に食べ物が分解されないと、小腸で炎症が起こりやすくなり、このバリアが壊れてしまうことも。
「リーキーガット」と呼ばれる状態になれば、慢性的な体調不良につながる可能性もあるのです。


消化器の健康を支える栄養素たち

消化器の機能を高めるには、必要な栄養素を意識的に取り入れることが大切です。
例えば、亜鉛は腸の粘膜を修復する働きがあり、ビタミンAは胃腸の粘膜を保護します。
ビタミンDは腸のバリアを強化し、ビタミンCは酸化ストレスから細胞を守ります。

さらに、オメガ3脂肪酸は腸の健康を整え、食物繊維や発酵食品は腸内細菌のバランスを保つ助けになります。
舞茸には胆汁の分泌を促す成分が含まれ、脂肪の消化やコレステロール代謝にも役立つと考えられています。


毎日の習慣が消化を変える

食事と食事の間に空腹時間を設けたり、よく噛んで食べたりすることで、胃腸への負担は大きく減らせます。
また、夜遅くの食事は避け、できるだけリズムよく食べることもポイントです。

睡眠やストレス管理も欠かせません。深い睡眠は自律神経を整え、腸の動きをスムーズにします。
ストレスを軽減するには、ぬるめのお風呂や自然とのふれあいも効果的。
運動も腸の蠕動運動を活発にし、排便リズムを整えるのに役立ちます。

また、水分補給にも注意を払いましょう。
ミネラルバランスのとれた水を意識的に摂ることで、代謝や排泄機能がよりスムーズに働きます。


今日から始める、内側からの体づくり

胃酸の働きを理解し、食事と生活習慣を少しずつ整えることで、消化力は確実に改善していきます。
消化器系の健康は、体全体の健康にもつながっていく大切な土台です。

体の内側から整うことで、疲れにくくなったり、気力が湧いてきたりと、日々の生活にも変化が感じられるでしょう。
まずは、「よく噛む」「夜遅くに食べない」など、できることから始めてみませんか?
小さな一歩が、大きな変化のきっかけになります。

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