朝起きたとき、なんとなく体がだるい。肌荒れが続く。気分が落ち込みやすい。
そんな日々が続いていませんか?
病院の検査では「異常なし」と言われても、どこか不調を感じる。
そんなときは、一度立ち止まって、自分の食事を見直してみることが大切です。
私たちの体は、食べたものでできています。
つまり、日々の食事は、建物の「素材」を選ぶのと同じ。
どんなに美しい設計図があっても、素材が粗悪なら、丈夫な建物にはなりません。
体も同じで、健康の土台は「どんな栄養を、どのように取り入れるか」によって決まってきます。
ここでは、体づくりの出発点となる「五大栄養素」について、その働きや役割を分かりやすく紹介します。
活力の源になる炭水化物と脂質
炭水化物は、体を動かすためのエネルギーを生み出す、いわば「燃料」のようなものです。
ご飯やパン、麺類などに多く含まれていますが、「食べすぎると太る」と敬遠されがちです。
しかし、適切な種類と量を選べば、むしろ体にとって欠かせない存在です。
例えば、玄米やそばなどの「茶色い炭水化物」は、エネルギー源としてだけでなく、血糖値の上昇を緩やかにし、満腹感も持続させてくれます。
さらに、食物繊維も豊富で、腸内環境の改善にも役立ちます。
脂質もまた重要な栄養素です。ただのカロリー源ではありません。
脂質は細胞膜やホルモンの材料となり、体の働きを支える役割があります。
中でも、魚に含まれるEPAやDHA、ココナッツ由来のMCTオイルなどは、体にやさしい「質の良い脂」とされています。
大切なのは、摂る「質」と「バランス」を見極めることです。
体を形づくるタンパク質
タンパク質は、筋肉だけでなく、髪、肌、内臓、ホルモン、免疫物質に至るまで、あらゆる体の構成に関わっています。
また、神経伝達物質の材料にもなるため、精神の安定や睡眠の質にも影響を与えます。
体重1kgあたり1g以上のタンパク質を、毎日の食事でしっかり補うことが望ましいとされています。卵、豆腐、魚、鶏肉、納豆など、様々な食品を組み合わせて摂ることがポイントです。
動きを支える小さな働き手:ビタミンとミネラル
ビタミンやミネラルは、量としてはごくわずかですが、体を「滑らかに動かすための潤滑油」のような働きをします。
例えば、ビタミンB群は糖や脂質、タンパク質の代謝に関わり、エネルギーづくりをサポートします。葉酸やビタミンB12は、神経やホルモン系のバランスを整える役割があり、特に妊娠中の健康にも重要です。
一方、ミネラルは骨をつくるカルシウムや、酸素を運ぶ鉄、免疫や細胞の再生に関わる亜鉛など、どれも重要な存在です。
現代の食生活では不足しやすいため、意識的に補う必要があります。
体質やストレス、薬の影響などで吸収がうまくいかない場合もあり、必要に応じてサプリメントを活用することも選択肢の一つです。
ただし、何でも摂ればいいというわけではなく、自分の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
栄養はバランスがすべて
五大栄養素は、それぞれが単独で働くのではなく、互いに補い合っています。
だからこそ、特定の栄養だけを極端に増やしても、かえってバランスが崩れ、不調を招くこともあります。
目的に応じて調整する柔軟さも必要です。
体重をコントロールしたい人、筋肉を増やしたい人、エネルギーを持続させたい人、それぞれに合った食べ方があります。
また、年齢や性別、生活習慣、ストレスの有無によっても、必要な栄養の質と量は変わってきます。
まずは1食、五大栄養素を意識してみる
完璧な食事をいきなり目指す必要はありません。
まずは、自分の食事を振り返ってみて、「足りていない栄養素はないか」「偏りはないか」と考えるだけでも、大きな前進です。
食事は、健康をつくる「投資」であり、「習慣」です。
体の声に耳を傾け、自分に合った選択を積み重ねていくことで、無理なく、確かな健康へとつながっていきます。