けがは誰にでも起こりうる
もし、足をひねってしまったら?
スポーツ中や日常生活の中で、ふとした瞬間に起こるのが「けが」です。
急に動かしたときの捻挫、転倒による打撲、筋肉の肉ばなれなど、誰にでも起こりうるリスクがあります。
そんなとき、焦らず適切に対応するために覚えておきたいのが「RICE処置」という基本的な応急対応です。
けがを防ぐ体づくりの基本
けがの予防には、運動・栄養・休養のバランスが欠かせません。
運動は筋肉や骨を強くし、けがをしにくい体を作ります。
筋肉は関節を支え、動きを安定させる役割も果たしています。
食事では、たんぱく質を中心に、ビタミンやミネラルなどの栄養素が体の修復や免疫力維持に関わっています。
さらに、疲れた体を回復させるには十分な休養も必要です。
また、自分の体のつくりや動きのクセを知っておくことも、けがのリスクを減らすポイントです。
体が発する小さな違和感に気づけるようになると、無理をする前に対処できるようになります。
急なけがには「RICE処置」で対応
どれだけ準備をしていても、けがを完全に避けることはできません。
そんなとき、最初の対応として重要なのが「RICE処置」です。
これは、けがの直後に行う基本的な応急処置で、以下の4つのステップから成り立っています。
Rest(安静)
まずは動かさないこと。痛みがある場所を無理に使わず、できるだけ安静にします。
足などに体重がかかる場合は、松葉づえやサポーターを使うのも効果的です。
Ice(冷却)
氷や保冷剤をタオルで包み、けがをした部分を冷やします。
1回あたり15~20分を目安に、1日に数回行うとよいでしょう。
直接肌に当てると凍傷の危険があるため、必ず布を挟むようにしてください。
Compression(圧迫)
弾性包帯などでけがの部分を適度に巻いて腫れを抑えます。
きつく巻きすぎると血の流れが悪くなり、逆に悪化してしまうので、指先の色や感覚を確認しながら行いましょう。
Elevation(挙上)
けがをした部分を心臓より高く保つことで、腫れを軽くする効果が期待できます。
クッションや毛布を使って、楽な体勢で保つようにしましょう。
RICE処置の注意点
RICE処置は、あくまで応急対応であり、すべてのけがに対応できるわけではありません。
もし以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 強い痛みや腫れが引かない
- 関節の変形がある
- 感覚がなくなる、動かせない
- 骨折の可能性がある
応急処置で悪化を防ぎながら、医師の診断と治療を受けることが大切です。
備えが回復を早める
けがは、誰にでも起こる可能性があります。
でも、正しい知識と冷静な対応があれば、その後の回復を大きく左右できます。
RICE処置は、簡単に覚えられてすぐに使える応急手段です。
体を日ごろからケアし、万が一の時にはRICEで素早く対応する。
この習慣が、自分や家族の健康を守る大きな一歩になります。