なぜ、眠っても疲れが取れないのか?
朝起きたとき、なんだかスッキリしない。
仕事中も集中力が続かず、ついボーっとしてしまう。
そんな状態が続いている人は、「睡眠負債」を抱えている可能性があります。
現代人は、仕事や家事、育児、スマートフォンの使用など、日々の生活に追われ、睡眠時間を削りがちです。
しかしその小さな積み重ねが、心と体に大きな負担をかけていることに気づいていない人も多いのです。
睡眠が果たしている大切な役割
睡眠は、単なる休息時間ではありません。
眠っている間、私たちの体では細胞の修復や免疫機能の調整、記憶の整理、老廃物の排出など、多くの重要な働きが進んでいます。
また、体内時計と呼ばれるリズムに従って眠ることで、ホルモンバランスが整い、心身の健康が保たれます。
睡眠は、心と体のメンテナンス時間なのです。
睡眠不足が引き起こす、見えないダメージ
睡眠が不足すると、日中の集中力や判断力が鈍り、仕事や勉強のパフォーマンスが低下します。
さらに、気づかないうちにストレスに弱くなり、不安やイライラが増したり、気分の落ち込みが起きやすくなったりもします。
また、食欲をコントロールするホルモンが乱れて過食傾向になったり、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったりと、体の不調も目立ってきます。
長期間にわたる睡眠不足は、生活習慣病や認知症のリスクを高めることも指摘されています。
その「睡眠負債」は、簡単には返せない
このように、日々の睡眠不足が積み重なった状態は「睡眠負債」と呼ばれています。
多くの人が、週末に「寝だめ」で取り戻そうとしますが、それだけでは完全には解消できません。
むしろ、生活リズムを乱す原因になってしまうこともあります。
大切なのは、毎日安定して、質の良い睡眠をとる習慣を身につけることです。
今日から始める、睡眠の質を高める習慣
まずは、自分の睡眠状態に意識を向けてみましょう。
毎日できるだけ同じ時間に寝起きする、朝に太陽の光を浴びる、朝食をしっかりとるなどの行動は、体内時計の調整に役立ちます。
寝る前はスマホやパソコンの使用を控え、部屋の照明を落としてリラックスできる時間をつくることも効果的です。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのもよいでしょう。
日中の強い眠気には、20分程度の昼寝を取り入れるのもおすすめです。
ただし、寝すぎは夜の睡眠に悪影響を及ぼすため注意が必要です。
また、睡眠中のいびきや呼吸の乱れに気づいたら、専門機関への相談も検討してみましょう。
眠ることは、自分を大切にすること
「最近なんとなく不調が続いている」と感じたら、まずは睡眠の見直しから始めてみてください。
良質な睡眠は、心と体の土台を支える大切な習慣です。
今日からできる小さな一歩が、明日の元気と未来の健康につながっていきます。