あなたの「なんとなく不調」はどこから?
朝すっきり起きられない、疲れが取れない、イライラしやすい――
そんな小さな不調を感じていませんか?
病気とまではいかないけれど、なんとなく調子が悪い。
この状態を東洋医学では「未病(みびょう)」と呼びます。
未病とは、病気になる前の“体からの警告”のようなもの。
放っておくと症状が進行するリスクがありますが、早めに気づき、ケアすれば健康を守ることができます。
東洋医学が教えてくれる、体と心のとらえ方
東洋医学では、人の体を「気・血・水(き・けつ・すい)」という三つの要素で捉えています。
気は生命のエネルギー、血は栄養を運ぶ流れ、水は体を潤す成分です。
これらのバランスが崩れることで、さまざまな不調が起こると考えられています。
たとえば、口が渇く・肌が乾燥するといった症状は「潤いの不足」、疲れやすさや気分の落ち込みは「気の不足」、というふうに、体が発している小さなサインから調子を読み取る手がかりがあるのです。
生活の中に潜む「未病」のサインとは?
近年とくに注目されているのが、腸内環境の乱れによる体調不良です。
食事の乱れや加工食品の多用により腸内細菌のバランスが崩れると、便秘・肌荒れ・気分の不安定さなどが現れやすくなります。
また、スマートフォンや仕事のストレスによって、自律神経が乱れたり、睡眠の質が低下したりすることも、「未病」の一つの表れです。
肌の調子が悪い・眠りが浅い・気分が安定しない――
これらはすべて、体が「このままではバランスが崩れますよ」と教えてくれているメッセージかもしれません。
今すぐできる、未病の芽を摘む生活習慣
未病を改善するには、特別なことをするよりも、日常の習慣を見直すことが近道です。
たとえば、食生活では「体に良いものを足す」だけでなく、「負担になるものを引く」視点も大切です。
糖質や添加物の多い食事を減らし、発酵食品や野菜を意識的に取り入れましょう。
また、夜のスマホを控えて睡眠の質を高める、適度な運動で血の巡りをよくする、ストレスと上手につきあう方法(深呼吸・マインドフルネス・自然に触れるなど)を見つける――
こうした小さな工夫が、体の回復力を高めてくれます。
「数値」だけでなく「感覚」に目を向けよう
健康診断の結果に異常がなくても、体は正直に変化を伝えてくれます。
「疲れやすい」「いつもより元気が出ない」「便通や肌の状態が気になる」など、主観的な感覚にも注意を向けることが、未病に気づく第一歩です。
数字や診断だけに頼るのではなく、自分の体と“対話する”姿勢が、健康を守るために大切なのです。
小さなサインを見逃さない力を育てよう
未病という考え方は、「体の小さな変化に気づく力」と「自分で整える習慣」の大切さを教えてくれます。
心と体は密接につながっています。西洋医学と東洋医学、それぞれの知恵をバランスよく取り入れながら、あなた自身の声に耳を澄ませてみてください。
今日から、無理なくできることをひとつだけ始めてみましょう。
それが、健康な未来への確かな一歩になります。