津波はなぜ恐ろしいのか?
日本は、地震や津波の発生しやすい地形と気候にある国です。
特に津波は、地震に続いて発生し、短時間で大きな被害をもたらす災害です。
海底での地殻変動によって海水全体が動かされることで生じ、深海では秒速200メートルほどの速さで移動します。
沿岸に近づくと、湾の形や地形の影響で波が高くなり、予想を超える被害につながります。
津波は一度だけでなく、何度も押し寄せることがあり、後の波ほど大きくなることもあるため、最初の波で安心してはいけません。
揺れたら、すぐに逃げる
地震を感じたら、津波の発生を疑うことが重要です。
必ずしも潮が引くなどの前兆があるわけではなく、突然襲ってくるケースもあります。
だからこそ、揺れを感じたら迷わず高台を目指す判断が必要です。
津波警報や注意報は、テレビやラジオ、緊急速報メール、防災アプリなどを通じて届きます。
警報を受けたら、警戒せずにはいられない状態であると受け止め、即行動に移すことが命を守ります。
避難のポイントとNG行動
避難の際に大切なのは「遠くより高く」の意識です。
時間がない場合は、海岸近くであっても鉄筋コンクリート造の高い建物の5階以上を目指す垂直避難が有効です。
また、車での避難は渋滞の原因となり、自分自身や他の人の避難を妨げてしまいます。
運転中に地震を感じた場合は、安全な場所に停車し、徒歩で避難するのが基本です。
注意報であっても油断は禁物です。
高さが1メートルに満たない津波でも、成人が簡単に流されるほどの力を持っています。
海や川のそばにいるときは、ただちに離れましょう。
災害時の心理に打ち克つために
災害時には、判断力を鈍らせる心理的な罠がいくつもあります。
「自分だけは大丈夫」と思い込む正常性バイアス、動けなくなる凍り付き、忘れ物を取りに戻ろうとする行動などがその例です。
また、周囲の人が避難しないからと様子をうかがってしまう多数派同調バイアスもあります。
こうした心理的傾向は事前に知っておくことで、いざというときの行動力につながります。
「命が最優先」と繰り返し心に言い聞かせておくことが重要です。
日頃からの備えが命を守る
災害に備えるには、まず自宅や職場のある地域のハザードマップを確認しましょう。
家族で避難ルートや集合場所を話し合い、さまざまな時間帯・天候を想定した訓練もしておくと安心です。
避難に時間がかかる高齢者や子ども、外国人旅行者のサポート体制も考えておくことが大切です。
防災アプリや多言語対応の情報源も事前に確認しておきましょう。
備蓄品も欠かせません。食料や水は最低3日分、できれば1週間分を目安に。
トイレ、電源、衛生用品、情報手段も忘れずに準備しておくことで、避難生活の不安を大きく減らせます。