体と心の整え方を、内側から考える

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ウェルビーイングとは「整い続ける力」

忙しい毎日を過ごしていると、ふと「疲れが抜けない」「気分が晴れない」と感じることはありませんか。
こうした違和感は、体と心のバランスが崩れているサインかもしれません。
ウェルビーイングとは、単なる一時的な満足や目標の達成ではなく、自分らしい生き方と価値観に沿って、体と心の調子を整え続けるプロセスです。
他人と比べるのではなく、自分自身に合った方法を見つけることが大切です。

体のエネルギーは、ミトコンドリアがつくっている

私たちの体には約37兆個の細胞があり、その一つ一つの中に「ミトコンドリア」という小さなエネルギー工場があります。
このミトコンドリアが、ブドウ糖や脂肪を分解して生命活動に必要なエネルギーをつくっています。
その働きには、ビタミンB群、鉄、マグネシウムなど多くの栄養素が必要です。
たとえばマグネシウムは筋肉や神経の機能にも関わり、鉄が不足すると酸素が運ばれにくくなり、疲れやすさにつながります。
毎日の食事が、体のエネルギー効率を左右しているのです。

腸が整えば、心も整う

最近の研究では、腸内環境と心の状態が密接につながっていることがわかってきました。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど神経細胞が多く、脳と直接コミュニケーションを取っています。
腸には100兆個以上の細菌が住み、そのバランスが崩れると、免疫機能の低下や気分の落ち込みにつながることもあります。
また、偏った食事やストレスは「リーキーガット症候群」など腸粘膜のトラブルを引き起こし、慢性的な不調の原因になることもあります。
発酵食品や食物繊維を意識して摂ることで、腸内環境の改善が期待できます。

有害物質をためない、出す力を高める

私たちは知らないうちに、さまざまな有害物質を体に取り込んでいます。
たとえば、水銀やアルミニウムといった重金属は、魚介類や調理器具、歯科材料などから体内に入り、神経や免疫に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、加工食品や揚げ物に含まれる「老化物質(AGEsやALEs)」も、体の炎症や病気のリスクを高めます。
これらの影響を抑えるには、デトックスを助ける栄養素(ビタミンC、亜鉛、セレンなど)を取り入れることや、蒸す・茹でるといった調理法の工夫も効果的です。

自分に合った整え方を探していく

体のケアと並んで、心の健康も見逃せません。
ストレスが続くと、ホルモンの乱れが免疫力を下げたり、気分の安定を妨げたりします。
ビタミンDやB12の不足も、精神面の不調に関わることが知られています。十分な睡眠、深呼吸、軽い運動や瞑想など、日常に取り入れやすい工夫が、心身を整える力になります。
また、最近注目されている「精密栄養学」では、遺伝子や腸内環境などのデータをもとに、その人に合った栄養や生活スタイルを提案する方法も登場しています。
自分の体の個性を知ることで、より効果的なセルフケアが可能になります。

整えることは、終わりのないプロセス

ウェルビーイングは「これで完成」というゴールがあるわけではありません。
季節や年齢、環境によって、体も心も変わっていきます。その変化に気づき、柔軟に向き合いながら、自分にとって心地よい方法を選んでいくことが何より大切です。
身の回りの小さな選択から、自分の体と心に耳を傾けていく——
そんな日々の積み重ねが、豊かで力強い人生を支える土台となるでしょう。

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