肌荒れ、かゆみの原因は「腸」にある?体の内側から見直す肌トラブル対策

wellbeing

高価なスキンケアを使っても、なぜか肌荒れやかゆみが続く。
そんな経験はありませんか?もしかすると、その不調は皮膚の表面だけの問題ではなく、体の内側――特に「腸内環境」と深く関係しているかもしれません。

肌と腸。あまり関係がなさそうに思えるこの二つですが、実は私たちの体には、内側の不調が外側に現れる「腸―皮膚相関」と呼ばれる関係があることがわかってきています。
今回の記事では、腸内環境が肌トラブルとどうつながっているのか、体内の「ヒスタミン」という物質を中心にその仕組みを解説していきます。

肌のかゆみを引き起こす「ヒスタミン」とは

ヒスタミンは、体内で自然に作られる化学物質で、アレルギー反応や免疫反応、神経の働きに関係しています。
体に異物が侵入したとき、それを排除しようとする過程で放出され、赤みやかゆみなどの反応を引き起こします。

本来は体を守るための仕組みですが、ヒスタミンが必要以上に増えたり、体内でうまく分解されなかったりすると、かえって不調の原因になります。
肌に赤みやかゆみが現れやすいのも、このヒスタミンが過剰に反応しているサインかもしれません。

腸内環境の乱れがヒスタミンに影響?

ヒスタミンの量や体内での処理には、腸内の状態が大きく関係しています。
腸内には多様な細菌が住んでおり、これらが食べたものを代謝し、体に必要な物質を作ったり、不要なものを分解したりしています。

ところが、腸内の菌バランスが崩れると、体にとって好ましくない代謝産物が増えてしまうことがあります。
特に「SIBO(小腸内細菌異常増殖症)」という状態では、本来大腸に多いはずの菌が小腸で異常に増え、ヒスタミンを多く作る菌が優勢になることもあります。

さらに、腸内環境の悪化は腸の粘膜を弱らせ、「腸もれ(リーキーガット)」という状態を引き起こすことも。
そうなると、食べ物の未消化成分や細菌のかけらなどが血液に入り込み、全身の免疫を刺激して炎症やかゆみといった症状を引き起こす可能性があります。

食べ物にも注意が必要

ヒスタミンは体内で作られるだけでなく、食べ物からも取り込まれます。
特に発酵食品やアルコール、青魚、トマト、チョコレートなどにはヒスタミンが多く含まれるものがあります。

通常は体内の酵素がこれを分解してくれますが、酵素の働きが弱い人や、腸内環境が乱れている人ではうまく処理できず、ヒスタミンが体に溜まりやすくなります。
その結果、肌の不調として現れることがあるのです。

内側から肌を守るためにできること

腸内環境を整えることは、肌を健康に保つための土台になります。
食物繊維を多く含む野菜や海藻を日々の食事に取り入れたり、良質な発酵食品を選んだりすることで、腸にとってよい菌が増えやすくなります。

また、糖質の過剰摂取はカンジダ菌などの真菌を増やすことがあり、腸内バランスを崩す原因にもなります。
甘いものや加工食品は控えめにし、自然な食材を中心にした食生活を心がけましょう。

酵素の働きを助ける栄養素としては、ビタミンB群やマグネシウム、銅などが知られています。
特にヒスタミンの分解に関わる「DAO(ジアミンオキシダーゼ)」という酵素の働きには個人差がありますが、栄養状態や腸内環境が影響を与えると考えられています。

生活習慣の見直しも肌ケアの一環

睡眠不足やストレスは腸の働きを弱め、肌の不調にもつながります。
質の高い睡眠や適度な運動、ストレス解消のための時間を持つことは、腸と肌の両方に良い影響を与えます。

また、排便のリズムを整えることも重要です。
朝食をしっかり食べることで腸の動きが活発になり、自然な排便につながります。

肌の悩みは“腸”から変わる

肌のトラブルは、表面を整えるだけでは根本的な改善につながらないことがあります。
内側、特に腸内環境を見直すことが、意外なほど大きな変化をもたらすこともあります。

もし慢性的な肌荒れやかゆみに悩んでいるなら、まずは日々の食生活や生活習慣を少しだけ見直してみてください。
体の内側から整えることで、本来の肌の美しさが引き出されるかもしれません。
必要であれば、専門家に相談するのも大切な一歩です。

Translate »