情報に疲れたあなたへ。心と体を整える「デジタルデトックス」のすすめ

wellbeing

朝目覚めてすぐスマホを手に取り、日中はパソコンに向かい、夜はSNSを見ながら眠りにつく。
そんな生活が当たり前になっていませんか?
今の時代、情報はいつでもどこでも手に入ります。
とても便利な反面、私たちは「情報の波」に飲み込まれがちです。
最新のニュース、通知の数々、絶え間ない他人の投稿。知らず知らずのうちに、脳も心も休む暇がなくなっているのです。

このような状況のなかで注目されているのが、「デジタルデトックス」という考え方です。
意識的にスマートフォンやパソコンから距離を取り、情報との付き合い方を見直すことで、心身のバランスを取り戻そうというものです。

では、なぜ今デジタルデトックスが必要とされているのでしょうか。

情報が多すぎると、脳が疲れてしまう

私たちの脳は、常に情報を処理し続けています。
次々と流れてくるニュースやSNSの投稿に反応し、注意があちこちに飛ぶと、集中力は低下し、思考も浅くなります。
頭がぼんやりして、考えがまとまらない感覚に覚えがある人も多いのではないでしょうか。

さらに、スマートフォンの画面や通知は、脳内で快楽を感じる物質であるドーパミンの分泌を促すため、知らないうちに「もっと見たい」「もっと知りたい」という感覚を強化してしまいます。
これが習慣になると、情報を求め続ける脳のクセができ、ますます疲れがたまりやすくなっていくのです。

情報の洪水が、心にも影響を与える

情報過多は、脳だけでなく心にも負担をかけます。
とくにSNSでは、他人の楽しそうな投稿や成功体験に触れるたび、自分との違いを意識してしまい、焦りや不安を感じることもあるでしょう。
これが続くと、自己肯定感が下がり、慢性的なストレス状態につながっていきます。

ストレスが高まると、体内ではコルチゾールというホルモンが分泌され、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
気分が落ち込みやすくなったり、イライラが増えたりする背景には、こうした体内の変化も関係しているのです。

睡眠の質が下がり、体全体に影響が及ぶ

就寝前にスマートフォンを見ていると、目に入るブルーライトの影響で脳が覚醒し、寝つきが悪くなることがあります。
また、寝る直前まで頭を使い続けることで、深い眠りに入りにくくなります。

睡眠の質が下がると、体の修復や免疫機能、腸内環境のバランスにも悪影響が出ることがわかっています。
実際に、眠りが浅いと便秘や下痢といった不調が起きやすくなるという報告もあります。
脳と腸は密接に関係しており、心身の不調は連鎖的に広がっていくのです。

デジタルデトックスがもたらす変化

こうした影響を防ぐために、意識的にデジタルデバイスから離れる時間を作ると、さまざまな好循環が生まれます。

まず、脳が休まり、思考がクリアになります。
情報のノイズから解放されることで、自分の考えや感覚に集中しやすくなり、本当にやりたいことや感じていることにも気づきやすくなるでしょう。

また、他人と比べない時間が増えることで、気持ちが安定しやすくなります。
自然の中に身を置いたり、深呼吸をしたりするだけでも、心拍の変化が落ち着き、ストレスが緩和されることが知られています。

そして、睡眠の質が改善されることで、朝の目覚めがスッキリし、日中の集中力や体調も整ってきます。
腸の調子が良くなることで、全身のめぐりもよくなり、気分の安定にもつながります。

夜スマホをやめるだけで、朝が変わる

デジタルデトックスと聞くと、「スマホを完全にやめなければ」と思ってしまいがちですが、そんな必要はありません。
大切なのは、少しでも「使わない時間」を意識してつくることです。

たとえば、寝る1時間前はスマホを見ないようにする。
夕食後はSNSを開かないと決める。週末の午前中は、スマホを置いて散歩に出かけてみる。
それだけでも、脳と心は大きく変わっていきます。

情報があふれる時代だからこそ、自分自身のペースを大切にしましょう。
スマートに情報と付き合いながら、心と体のバランスを取り戻す。その第一歩が、デジタルデトックスです。

Translate »