ストレスとホルモンバランスの深い関係

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その「だるさ」、ただの寝不足じゃないかもしれません

朝、なかなか起きられない。昼間もずっと体が重い。
夜になると気分が沈んでしまう——
そんな不調を、あなたも感じていませんか?
これらは単なる疲れや睡眠不足と思われがちですが、実は“ホルモンバランスの乱れ”が関係している場合があります。
とくに、ストレスに関係するホルモン「コルチゾール」の働きが乱れると、体の回復力が低下し、慢性的な疲労が続いてしまうのです。

コルチゾールと小さな臓器の重要な役割

コルチゾールは、腎臓の上にある小さな臓器から分泌されるホルモンです。
体内の炎症を抑えたり、エネルギーを生み出したり、心身のバランスを保つうえで欠かせません。
本来このホルモンは、朝に多く分泌されて活動をサポートし、夕方にかけて減少するリズムを持っています。
しかし、現代の生活ではストレスが多く、このリズムが乱れやすくなっています。
心の悩みや睡眠不足、環境の悪化など、複数の要因が重なってコルチゾールの分泌が追いつかなくなってしまうのです。

見えない疲労が引き起こす体のサイン

ストレスに長期間さらされると、体はコルチゾールをつくる力を失い、さまざまな不調が現れます。
例えば、朝起きるのがつらい、眠っても回復しない、やる気が出ない、気分が落ち込みやすいといった変化。
また、性ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌にも影響が出て、女性ではPMSや生理不順、男性では性欲の低下、倦怠感などが起こることもあります。
免疫力も下がり、風邪をひきやすくなる人も少なくありません。

「引き算」で体を軽くする生活習慣

体の回復力を取り戻すためには、まず余計な負担を減らすことが大切です。
たとえば、加工食品や砂糖、小麦や乳製品は人によって腸に炎症を起こしやすく、栄養吸収を妨げてしまうことがあります。
また、カフェインや糖分の過剰摂取は一時的に元気になったように感じられますが、かえってホルモンの消耗を招くことも。
さらに、空気中の汚染物質や食品添加物、カビなども見えない負担となり、体にストレスを与えています。
こうした要素を少しずつ減らしていくことが、回復の第一歩です。

「足し算」で心と体を立て直す

負担を減らしたあとは、体に必要な栄養素をきちんと補うことが重要です。
タンパク質や脂質、炭水化物、ビタミンやミネラルをバランス良く摂取することで、体の土台が整っていきます。
特にビタミンB群やビタミンD、鉄、亜鉛は、ホルモンバランスや免疫機能を支えるうえで欠かせません。
また、腸内環境を整えることで、心の安定や栄養の吸収もスムーズになります。
さらに、睡眠の質を高め、適度な運動やストレスケアを取り入れていくことで、心身の回復は加速していきます。

疲れはあなたの体からのメッセージ

なんとなく続く不調を「気のせい」で片付けてしまうと、本来の回復力を見失ってしまいます。
大切なのは、自分の体の声に耳を傾け、小さな変化を積み重ねていくこと。
余分なものを減らし、必要なものを丁寧に補う。
そんなシンプルな習慣こそが、あなたを見えない疲労から解き放ち、より健やかで活力ある毎日へと導いてくれるはずです。

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